鼎ご夫妻が創る、地元の魅力あふれる食と文化

なごみ

こんにちは。地域の魅力発見アンバサダーのなごみです。
今日は鼎(かなえ)ご夫妻にいろいろとお話を伺います!

遠いところ、ようこそ紀北町へ。よろしくお願いします。

鼎さん
なごみ

本日はよろしくお願いします!


三重県紀北町(旧:紀伊長島)の海沿いに、地元食材の魅力を最大限に活かしたイタリアンレストラン「ラ・ズッカ」と、2023年夏オープンの「ON THE BEACH Cafe」があります。 この記事では、新鮮な魚介や地元産の食材を使うだけでなく、地元コミュニティや観光客をつなげる取り組みに情熱を注いでいる鼎(かなえ)ご夫妻の活躍について詳しくまとめています。
 

1. 「ラ・ズッカ」と鼎ご夫妻の始まり

 

熊野古道登録の年に始まったイタリアンレストラン

熊野古道が世界遺産に登録された年、「地元の魚を活かしたイタリアンを出したい」という想いから誕生したのが「ラ・ズッカ」。 もともと大阪でイタリアンレストランを開業していた旦那様でしたが、大阪の魚は鮮度が地元・紀伊長島ほどではない、と肉や野菜中心の料理を提供していました。 しかしやはり、紀伊長島の新鮮な海産物こそが本当に出したい料理だったといいます。

なごみ

やはり地元の魚の鮮度は格別でしょうか?

そうですね。鮮度が命ですから。やっぱりここでしか味わえない旨みがあります。最初は仕入れ先を探すのに苦労しましたけど、尾鷲の『岩崎魚店』さんと出会ってからは安定して良い魚を確保できるようになりました。

鼎さん
なごみ

なるほど。大阪でイタリアンをやっていた頃はお肉や野菜中心だったとのことですが、それも地元・紀伊長島への想いがあったんですね。

ええ。『やっぱり魚料理をやりたい』という気持ちが強くて、思い切って戻ってきちゃいました。

鼎さん

大阪時代からの常連と完全予約制

「ラ・ズッカ」では完全予約制を採用。予約が入ると、ご主人自ら尾鷲の漁港まで仕入れに行くという徹底ぶりです。 そして、大阪時代からの常連が夏の休暇に合わせて訪れ、宿泊施設も兼ねる店内でゆったり過ごすことも多いそう。

なごみ

地元の方は魚を日常的に食べているから、むしろお肉を好むという話も伺いました。お客さんごとに好みは違いそうですね。

そうなんですよ。『魚は毎日食べてるから肉がいい』という地元の方もいますし、逆に観光の方は魚料理目当て。両方に応えようとすると忙しいですが、それが面白さでもありますね。

鼎さん
なごみ

完全予約制にしているのも、仕入れをベストな状態で確保するためなんでしょうか?

はい。お客様が来るとわかれば、その日必要な分だけ尾鷲で仕入れるんです。最高の状態でお出しできるから、満足してもらえます。

鼎さん

2. 新たな挑戦:「ON THE BEACH Cafe」

 

2023年7月15日オープンのビーチカフェ

そんな鼎ご夫妻が、今夏新たに立ち上げたのがビーチ沿いの「ON THE BEACH Cafe」。夏の繁忙期になると、地元客や観光客で賑わい、スピーディーに大量のオーダーをこなす必要があるそうです。 それでも地元食材の良さを活かしたメニューを守りたいという思いは失わず、地元の水産加工会社とコラボした「カツオーシャンビューバーガー」などを提供しています。

なごみ

海の目の前で食事ができるなんて、最高のロケーションですね。オープンしてからお客さんの反響はいかがですか?

夏はとにかく忙しいですよ(笑)。『ラ・ズッカ』も繁忙期なので、両方の店を行き来しながら睡眠時間を削る日々です。でも、海を背景にみんなが楽しそうにしているのを見ると嬉しいですね。

鼎さん
なごみ

大変さもあるけれど、やはり夢だったカフェなんですね。

ええ。もともと主人が音響やイベントの仕事をしていたので、ビーチで何か楽しめる場所を作ってみたいと思っていました。

鼎さん

カツオーシャンビューバーガーとイベントの工夫

大勢の観光客に対応するため、調理のスピードは最重要事項。だけど、地元の美味しい食材を味わって欲しいという想いから、地元の信頼のできる会社から食品を仕入れて地元産の食材を守るスタイルは変えないというこだわりも。 さらに、ウクレレ教室や和太鼓ワークショップ、押し寿司体験といったイベントを積極的に開催し、地元住民と観光客が一緒に楽しめるコミュニティづくりを目指しています。

なごみ

ワークショップに来られた方がリピーターになることも多いと聞きました。実際どうですか?

そうなんです。『ここで押し寿司作り体験が面白かったからまた来ました』とか、『今度はウクレレ教室に参加したい』なんて声も。自然とファンが増えていく感じですね。

鼎さん
なごみ

食事をするだけじゃなくて、地域の人とも触れ合える空間って素敵です。

はい。おかげで『地元にこんな場所があったんだ』と再発見してくれる住民も増えています。

鼎さん

 

城ノ浜 ON THE BEACH Cafeでの郷土料理・押し寿司体験


三重県紀北町の美しい「城ノ浜ビーチ」に位置するビーチカフェ「ON THE BEACH Cafe」では、地元のお母さんから教わった伝統的な押し寿司作りを体験できます。



この体験型観光コンテンツでは、紀伊の檜で作られた押し寿司用の木箱を使い、“その日採れた地元の新鮮なお魚” を贅沢に使用。出来上がった押し寿司は、海を眺めながらその場で味わうことができ、使用した木箱はお土産としてそのままお持ち帰りいただけます。



さらに、地元の加藤シイタケさんが育てた採れたての菌床椎茸を、炭火焼きで楽しむことも可能。自分で作った押し寿司と一緒にいただけば、より一層“地元の味”を堪能できます。


【料金(押し寿司体験)】
・大人(12歳以上) 6,000円
・子供(6~11歳) 3,500円

◯ご予約方法
この体験を通じて、紀北町の豊かな食文化と自然の魅力を存分に味わってください。
※事前の予約が必要です。

押し寿司体験のご予約はこちら

3. 地域とつながる:食材・コミュニティ・観光の輪

地元食材へのこだわり

「ラ・ズッカ」では尾鷲の漁港に直行して、新鮮な魚介をその都度仕入れるなど、鼎ご夫妻が理想とする“素材を最高の状態で提供する”スタイルを続けています。 「ON THE BEACH Cafe」でも、地域の水産会社が作る無添加のカツオ商品や地元野菜を活かし、“安全・安心”を大切にしながら観光客の大量注文にも対応しています。

なごみ

仕入れや下準備って大変じゃないですか?

忙しい時期だと大変ですけど、『こだわった素材でおいしいものを出したい』という想いがあるから頑張れます。お客さんの笑顔を見れば疲れも吹き飛びますね。

鼎さん

イベントが生むコミュニティ

観光客だけでなく、地元の人が気軽に参加できるワークショップを通して、町全体が盛り上がっているのも印象的。 「こんなに素敵な場所があったなんて」と驚く地元住民も多く、改めて“地元再発見”の場になっているようです。

なごみ

例えばウクレレや和太鼓などを通じて、地元の方同士が知り合うなんてこともあるんですか?

ありますね。イベントを通して仲良くなって方同士で次のイベントに一緒に参加されたりというケースもよくあります。

鼎さん
なごみ

それってコミュニティがどんどん広がっている証拠ですね。観光客との交流も増えそうです。

はい。『地元に新しい風が吹いた』って喜んでもらえたら嬉しいですね。

鼎さん

4. 未来への展望:健康美長寿&「塩の聖地」を目指して

健康美長寿コミュニティ

鼎ご夫妻は今後、インバウンド(海外観光客)向けの体験サービスをさらに充実させたいと考えています。押し寿司ワークショップや語り部×和太鼓など、紀北町ならではの文化体験が目玉。 さらに「健康美長寿」をテーマに、様々なイベントを企画し、地元民と観光客が一緒に楽しめる場を広げていくというのです。

なごみ

健康美長寿って、すごくいいテーマですね。どんなイメージなんでしょう?

沖縄の方々が三味線を弾きながら笑って暮らしているように、楽しみながら元気になれる場所を作りたいんです。コミュニティが活発だと笑顔も増えて、自然と健康になっていく気がして。

鼎さん
なごみ

確かに、一緒に体を動かしたりイベントを楽しんだりするだけでも気分が上がりますね。海の近くでそれが実現するなんて素敵です!

ありがとうございます。人が集まれば、新しいアイデアが次々生まれると信じています。

鼎さん

「塩の聖地」城ノ浜

さらに、かつて伊勢神宮に奉納される塩を作っていた歴史を持つ城ノ浜を“塩の聖地”として復活させたい、と語る鼎ご夫妻。 地域の文化と歴史を次世代に伝える取り組みも、今後の大きな目標だそうです。

なごみ

伊勢神宮に奉納する塩が作られていたなんて、知らない人も多いのでは?

地元でも知られていない場合があるんです。『そんな伝統があったの?』って驚かれることもしょっちゅう。だからこそ一緒に学んで、体験につなげていきたいですね。

鼎さん
なごみ

観光客だけじゃなく、地元の方も新鮮な発見があるわけですね。

ええ。『自分たちの地域ってこんなに面白いんだ』と感じてもらえたら、やりがいを感じます。

鼎さん

5. まとめ

 

城ノ浜に来ると、地元の方でも『こんないい場所があったなんて』と驚くんですよ。ぜひ実際に足を運んで、海辺の風景やイベント、そして地元食材の美味しさを感じてほしいですね。

鼎さん


こう仰る鼎ご夫妻は、こうした取り組みを通じ、「食の魅力」「コミュニティ」「地域文化」を融合させた新しい形を紀北町で育んでいます。 地元の人も観光客も、共に笑って楽しめる場所づくりに終わりはない──その熱意が、インタビューを通してひしひしと伝わってきました。 鼎ご夫妻が作り上げる、“食”と“人”と“文化”が交わる空間。その情熱は、これからも紀北町の魅力を大きく広げていくことでしょう。 ぜひ、あなたも足を運んで、城ノ浜の風を感じてみてくださいね。